みなさんは、冷たいものを食べて歯がしみたことはありますか?
寒い時期は、暖かい時期に比べて歯がしみると訴える方が増えます。もちろん水道水も冷たくなりますし、風も冷たくなりますのでやはり夏より冬のほうがしみる原因が増えます。
しかし、自然環境以外の原因がある可能性もあります。
今回は、私たち歯科衛生士目線で歯がしみる原因についてお話ししたいと思います。
①くいしばり
朝起きた時、歯がしみる、もしくは歯が痛いという症状がある場合は、夜寝ている時のくいしばりが原因かもしれません。夜寝ている間には、食事の時に噛む力の何倍もの力で歯をくいしばっている場合があると言われています。
歯に過度の力がかかり続けることで、歯槽骨(歯の根がはまりこんでいる骨)がとけて歯茎が下がってしまうことがあります。
歯茎が下がり隠れていた根元が露出することで、歯がしみるといった症状が出てくるのです。
ひどい場合は歯がしみるだけではなく、歯が揺れてきたり、歯が割れてきたりしてしまうこともあります。
くいしばりによる症状は、夜寝る時につけるマウスピースで軽減できることがあります。
②虫歯ができている
虫歯菌が産生する酸により歯がとかされ、象牙質が露出するとしみることがあります。
冷たいものもしみますが、温かいものや甘いものなどがしみる場合もあります。
③酸蝕症(さんしょくしょう)
酸っぱいものが好きで、高頻度で食べていると歯がとけてくることがあります。
もしご自身が酸っぱいものを高頻度で食べていて、最近歯がしみるなあと思ったら歯をみてください。歯の外側のエナメル質は白色をしていますが、そこが酸で溶けてくると内側の黄色っぽい色の象牙質が露出してきます。黄色いところがみえてきている時は要注意です。
④虫歯治療をして神経が過敏になっている
虫歯を削るときに痛みを感じたり、しみたりすることがあるので麻酔をするように、削るときの刺激で神経が過敏になることがあります。
しみる症状を引き起こすのは歯の中にある神経ですが、神経は周りを歯質によって守られています。虫歯ができて歯を削ると歯質が薄くなるため、神経が過敏になります。そのため冷たいものや温かいもの、ときには甘いものもしみるようになります。
神経はその刺激に反応して自分の周りに歯質を添加していきますので、ある程度歯質ができてくると症状はおさまっていきます。
虫歯の治療時に沢山削ると症状が落ち着くまでに時間がかかりますし、体質などによっても時間がかかる人がいます。
稀に症状が落ち着かず悪化してしまうこともあり、痛みがひどくなってしまうと神経の治療が必要になる場合もあります。
⑤詰め物
金属は熱いものや冷たいものが伝わりやすい性質を持っています(「熱伝導率が高い」という言い方をすることもあります)。
金属の詰め物をつけた当初にしみたりする症状が出た場合は様子を見るようにお願いすることが多いです。
⑥噛み合わせが合っていない
歯に詰め物をするときには、噛み合わせの高さを調整します。詰め物の高さが高かったりすると噛み合わせが強くなりますので、しみることがあります。
また、天然歯(元々の自分の歯)でも、噛み合わせによっては他の歯よりも強くあたっている歯がある場合があります。
そういった歯も噛み合わせの調整をしたり、矯正治療で歯並びを直したりすると症状を軽減できることがあります。
⑦歯周病
歯周病は歯周病菌に罹患することで歯槽骨がとける病気です。歯槽骨がとけることで歯茎が下がり、それにより根元が露出して、しみる症状につながります。
また、プラーク(歯垢)が歯茎に付着している状態が続くと歯肉が炎症をおこします。
健康な歯肉はピンク色をしておりキュッとひきしまっていますが、炎症をおこした歯肉は赤く腫れてブヨブヨしています。歯肉に炎症が起きている状態ですと、しみる症状がおきやすくなります。
⑧歯磨き
歯磨きをする際、強い力で歯ブラシをあてていたり、電動歯ブラシをあやまった方法で使用したりしていると歯が削れてきます。それによりしみる症状がでることがあります。
当院では歯周病の基本治療は1時間かけて丁寧に行っております。その際、歯磨き指導もさせていただいております。
自分の歯ブラシはしっかりあたっているのか、圧は適切なのか、清掃器具の選択はあっているのか、などなど気になることがありましたらぜひ当院での検診をおすすめします。
お口のことでお困りの方、歯のクリーニングをご希望の方は、恵比寿デンタルクリニック東京までお気軽にご来院ください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。
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