「唾液」が持つ素晴らしい効果について解説

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「唾液」が持つ素晴らしい効果について解説

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こんにちは。恵比寿デンタルクリニック東京の歯科衛生士です。今回のブログでは、口腔内の重要な分泌物、「唾液」についてお話ししたいと思います。

 

唾液は汚いものと思われがちですが、実はものすごい能力を持っていて、唾液なしに口腔内、全身の健康はありえません。

しかし、日常の歯科の治療では唾液の価値が語られることはほとんどなく、高齢になり唾液が減少して初めて、今まで唾液が持っていた効果が薄れることで注目されるくらいです。

 

そんな、あまり注目されない唾液が持つ、素晴らしい効果について知っていただければと思います。

 

 

唾液の基本知識 

 

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1)唾液はどこでできるのか

唾液は唾液腺という臓器がつくっています。唾液の約9割が大唾液腺という、耳下腺・顎下腺・舌下腺の3つの唾液腺から分泌されています。

中でもサイズが最も大きいものは耳下腺で、唾液がもっとも多く分泌されるのは顎下腺です。

 

2)唾液腺の違いと役割

唾液腺が3つあるのはそれぞれが出す唾液の性質や役割が違うからで、耳下腺はサラサラ唾液(漿液性唾液)、舌下腺はネバネバ唾液(粘液性唾液)、顎下腺は両方を分泌します。

・サラサラ唾液は水分が多い唾液であるため、消化を促したり、細菌や食べ物を洗い流したり、食べ物を胃腸に運んだりします。

・ネバネバ唾液はたんぱく成分が多い唾液であるため私たちの身体を守るためにさまざまなはたらきをします。

 

また、唾液の分泌には自律神経が関係しており、交感神経が優位なとき(心と体が興奮モードのとき)にはネバネバ唾液、副交感神経が優位なとき(心と体がお休みモードのとき)はサラサラ唾液が分泌されます。実際の生活では、両方の唾液が分泌され、混合唾液として口の中を潤しています。

 

耳下腺・顎下腺・舌下腺などの大唾液腺は、刺激に反応し大量に唾液を分泌します。これを刺激唾液といいます。特に食事の咀嚼による刺激は、刺激唾液の分泌を増大させます。一方で咀嚼などの刺激がなくても自然に流れ出る唾液もあり、これを安静時唾液といいます。

 

通常これらの大唾液腺ばかりが注目されますが、実は口腔粘膜には無数の小唾液腺という唾液腺が存在し、唾液を産生しています。存在する部位によって口唇腺、口蓋腺、頬腺、臼後腺、舌口蓋腺、舌腺、と呼ばれています。無数にあるところがポイントで、粘膜を隙間なくカバーしているのです。

 

ちなみに、歯肉には小唾液腺はありません。咀嚼の時に食べ物が歯肉にあたることで、唾液腺の出口が詰まる危険があるためです。

 

3)唾液はどこからでてくる?

耳下腺で作られた唾液は耳下腺乳頭という場所から分泌され、口全体に広がります。顎下腺と舌下腺からの唾液は、舌の根元にある舌下小丘という場所から、下顎前歯部に向けて噴射されます。

歯科治療中、噴水のように唾液が噴射される事があります。勢いよく高く上がり、口腔外に吹き出してしまうこともあります。

 

これらのメカニズムから、唾液が一番多く届くのは下顎前歯部で、特に下顎前歯部の舌側は後述する唾液の洗浄作用により、う蝕(虫歯のこと)になりにくい部位なのです。

 

また、唾液の届きにくい場所もあります。例えば口腔前庭です。口腔前庭とは歯と頬粘膜、前歯と唇との隙間です。

ここは口腔周囲筋など外側からの圧迫もあり、なかなか唾液が行き渡りにくい場所です。

しかし、耳下腺乳頭から分泌された唾液がサラサラ唾液であることにより、唾液が口腔前庭全体に行き渡り、潤されます。本当に人の身体はよく作られていますね。

 

 

食べ物が飲み込めるのは唾液のおかげ

 

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お煎餅を割って手に刺したら痛いですし、尖った先で皮膚を擦ったら傷になってしまうと思います。しかし、口腔内では唾液のおかげで歯肉にお煎餅が刺さることはなく、痛く感じることもありません。硬いお煎餅をバリバリと嚙み砕き、咀嚼してもまったく問題がないのは、唾液の水分で粘膜が濡れているからなのです。

 

また、パサパサするクッキーがただ砕いた粉状のままだったら飲み込みにくいですが、これも唾液中の水分がクッキーを泥状にしてまとめ、飲み込みやすくしてくれているので私たちは美味しくクッキーを食べることができます。

 

正月にお年寄りがお餅を喉に詰まらせて緊急搬送されることがあります。これは嚥下(飲み込むこと)の能力低下と唾液の分泌量の減少により、お餅が唾液できちんとコーティングされていないからです。

しっかり咀嚼をすることで、咀嚼刺激への反射で唾液が分泌されるので、お餅を食べる機会が多い年末年始には高齢者の方は特に、よく咀嚼して食べるとよいです。

 

 

口の中を清潔に保つ役割も

唾液の効果を発揮するためには、分泌量も大切です。なぜ量が大切かというと、口の中を洗い流す作用に関わるからです。この作用の事を自浄作用(洗浄作用)といいます。

 

自浄作用は唾液を飲み込むときにはたらきます。嚥下をするときれいな唾液がまた分泌され、汚れた唾液は食道に飲み込まれます。人間は1分間に2回唾液を飲み込んでいるので毎日相当数の洗浄が行われていることになります。

 

朝、口がねばつくことがありますが、これは、夜中に唾液の量が大幅に減少した結果、自浄作用が停滞し、細菌が増えて口が汚れた証拠です。

 

 

口臭など口腔内の些細なお悩みでも、ぜひご相談ください

 

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以上、唾液の持つ効果や役割についてお話ししました。

このように唾液は単なる水分ではなく、色々な働きをして口腔の健康を保ってくれています。

最近、唾液の量が減ったな、口臭がきになるな、など何かお口のことで気になることがありましたらぜひ一度、当医院の歯科医師、歯科衛生士にご相談下さい。

 

 ※ 参考文献 クインテッセンス 歯科衛生士 2 2023

 

こちらもご参照ください。

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